近年、地域で展開される各種アートプロジェクトが盛んになっています。それに伴って、アーティストや関係者が地域に入り込んでリサーチをする機会も急増しました。
ところが、地域の人たちが芸術に高い関心を持っているとも限らないのと同様に、アート関係者が地域と良好な関係を取り結んでいくための知見も十分に蓄積されていないのが現状です。芸術系の教育機関で地域調査を体系的かつ実践的に学ぶ機会は少なく、また地域でのフィールドワークについて相談できるひとが周囲にいないため不安だという声も聞かれます。
芸術分野において地域の歴史や社会についてのリサーチが重要度を増していることは、すなわち人文社会科学の領域への接近を意味します。そこで、国内外でフィールドワーク調査を行ってきた文化人類学の研究者を招き、地域でリサーチを行うために必要なことを実体験を通じて知る機会を設けました。
アートに関わる者が地域でフィールドワークを行い、作品やプロジェクトへと昇華していくいうえで、ローカルな状況や文脈とどう関係を取り持ち、なにを見出すことができるか、考えてみましょう。
【日程】
2020年10月24日(土)
10:00-12:00
【配信方法】
Youtube配信(公開・URLは近日ご案内)
zoom参加(先着5名まで。要申込:https://forms.gle/esiLJmDYMhSQDBaW9)
【事前アンケート】
アートとフィールドワークについての簡単なアンケートにご協力ください。結果は当日のプログラム内で発表する予定です。
https://forms.gle/esiLJmDYMhSQDBaW9
【プログラム】
0:00 イントロダクション
4:58 芸術分野におけるフィールドワークの現況(山本)
12:10 アートの生態系と地域の理想的な関係のありかた ─ ルブンバシ・ビエンナーレとベナンの事例より(中村)
44:43 美術関係者のためのフィールドワークの手法と倫理 入門(山本)
01:06:03 人類学におけるフィールドワークの実際 ─ ナミビア、ベトナム、瀬戸内での調査
01:34:08 ディスカッション・質疑応答
【話題提供者プロフィール】
中村融子
1993年生まれ、京都市出身。東京大学法学部卒、京都大学アジアアフリカ地域研究科博士課程在学中。現代アフリカの美術を、歴史的視点と地域的視点を踏まえて研究し、アフリカ視点で21世紀美術のグローバル化を考える。博士予備論文「アフリカ現代美術「第3世代」試論ーキング・フンデックピンクと陶芸を起点にー」をきっかけに日本の現代陶芸の研究も行う。みんなのギャラリーでのカタログキュレーション、タグチアートコレクション主催講演、京都精華大学主催講演での登壇を経験。著作に「アートシーンのフィールドワークー現代アフリカ美術を取り巻く場と人々ー」『現代アフリカ文化の今』(青幻舎)。
三宅栄里花
1993年生まれ。岐阜県恵那市出身。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科にて地域研究の修士号を取得。現在は日系商社に勤務。学部、大学院での研究を通じて日本、ベトナム、ナミビアの農村を調査地としたフィールドワークを経験。ベトナム、ナミビアでは土地利用に関する研究、国内では地域コミュニティと地方創生に関する研究に従事。
山本功(アートマネージャー・ラボ)
1992年生まれ。広島市出身。京都大学文学部で地理学を専攻。広島における音楽家への調査のほか、岐阜県、沖縄県、京都府などで調査実習を経験。
ベネッセアートサイト直島を運営する公益財団法人福武財団を経て、2018年よりTAMENTAI GALLERYを運営。美術と場所の接点に関心を持ちながら、瀬戸内エリアを中心に展示企画や作品販売を手掛けている。
【アートマネージャー・ラボとは】
アートマネージャーが中心となり、アート関係者の互助ネットワークを作るべく、活動している任意団体です。有志のメンバーがボランティアで活動しています。
熊谷 薫(アートマネージャー、事業評価者、ARTLOGY代表)
石幡 愛(アートマネージャー、リサーチャー)
作田 知樹(Arts and Lawファウンダー、文化政策研究者)
西田 祥子(アートマネージャー、一般社団法人ノマドプロダクション理事)
山本 功( TAMENTAI GALLERY代表、合同会社dropIn 業務執行社員)
※youtubeチャンネル登録はこちら
https://www.youtube.com/channel/UCMzX_ZVzGSei8Yij1OH-iIA
★アンケートのお願い
今後の参考のために、簡単なアンケートにご協力ください。よろしくお願いいたします。
https://forms.gle/nrLjq9nfqDtoBzE47